日本臨床細胞学会雑誌
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原著
子宮頸癌および cervical intraepithelial neoplasia 3 (CIN3) 症例のがん検診歴に関する検討
森澤 宏行藤原 寛行竹井 裕二高橋 詳史種市 明代嵯峨 泰鈴木 光明
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2012 年 51 巻 3 号 p. 164-168

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抄録

目的 : 子宮頸癌症例におけるがん検診歴を調査し検診状況と子宮頸癌の臨床背景との関連を検証する.
方法 : 当院で 2006∼2009 年に組織学的に CIN3 および子宮頸癌と診断し治療した 248 例の診断前のがん検診歴を調査した. 過去 3 年以内に一度でもがん検診歴を有していた症例を検診歴有り群, 無い症例を検診歴無し群として定義した.
成績 : 検診歴有り群は 92 例 (37%), 無し群は 156 例 (63%) であった. Ib∼IV期の進行癌は検診歴有り群では 19.6% (18/92) であるのに対し, 検診歴無し群では 70.5% (110/156) と有意に高率であった (p<0.001). 検診歴を有しながらIb 1 以上であったものは 18 例あり, 8 例が SCC 症例, 10 例が腺癌症例であった. この群における腺癌の比率 (55.6%) は今回検討したIb 1 期以上の全浸潤癌症例における腺癌比率 20.3% (26/128) と比較すると, 有意に高く (p<0.001), 細胞診にて腺癌が見逃されやすい傾向といえた. SCC 症例では小病変, 内向型, 角化型などが偽陰性となる要因と考えられた.
結論 : 検診歴を有するにもかかわらず浸潤癌で発見される症例が認められた. 腺癌のみならず, 扁平上皮癌においても診断困難例が存在し, その特徴を示した. 今後これらの群への診断精度の向上などが課題となると思われる.

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© 2012 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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