日本臨床細胞学会雑誌
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症例
Serous endometrial intraepithelial carcinoma の 1 例
梅澤 敬野村 浩一土屋 幸子芦川 智美福村 絢奈池上 雅博
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2012 年 51 巻 3 号 p. 188-191

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抄録

背景 : Serous endometrial intraepithelial carcinoma (以下 : SEIC) は, WHO 分類で漿液性腺癌の前駆病変と記載されるまれな腫瘍である. 本邦においてその組織像, 細胞像は十分に知られていない.
症例 : 61 歳の閉経後の女性で, 主訴は不正性器出血である. 臨床的に子宮には多発性の筋腫を認めたが内膜肥厚を認めず, また, 両側卵巣・卵管に腫瘤性病変を認めなかった. 子宮内膜細胞診では, きれいな標本背景の中に, 萎縮性正常内膜腺細胞とともに異型細胞がシート状や小集塊状に出現していた. 集塊辺縁は不規則で細胞の突出を認めた. 卵巣癌または卵管癌由来の腫瘍細胞が経卵管的に子宮内腔に侵入したものと判定した. 組織学的には, 卵巣原発の漿液性腺癌に類似した異型細胞が子宮内膜表層および既存の内膜腺上皮を置換するように増殖し, 充実性, 篩状, 管状, 乳頭状構造を呈していた. 核分裂像やアポトーシスを伴っていた. 間質浸潤を認めなかった. 組織学的に SEIC と診断した (進行期分類IA 期).
結論 : SEIC は微小病変であり臨床的に捉えることは困難であるが, その子宮内膜細胞診は特徴ある細胞像を呈し, 診断に有用で早期発見に寄与できる.

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© 2012 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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