日本臨床細胞学会雑誌
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原著
セルブロックを用いた乳癌ホルモン受容体判定
西村 理恵子山本 珠美香川 昭博森田 佐智子寺本 典弘高畑 浩之
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2012 年 51 巻 5 号 p. 323-328

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抄録

目的 : 乳癌受容体結果が原発巣と転移巣で異なる例が比較的多いことが報告されている. 一方, 細胞診は生検が難しい転移巣にも施行可能である. セルブロックは, 液状細胞診と比較すると装置購入の必要がなく追加標本作製も容易である. そこで, 乳癌ホルモン受容体 (HR) 検査におけるセルブロックの有用性を液状細胞診と比較して考察した.
方法 : 乳癌切除検体から穿刺吸引した細胞検体でセルブロックと液状細胞診を作製した. それらに HR の免疫染色を行い組織標本の結果と比較した.
成績 : エストロゲン受容体 (ER) は 35 例中 34 例で細胞診と組織の結果が一致し (一致率 97%), プロゲステロン受容体 (PR) は 35 例中 31 例で細胞診と組織の結果が一致した (一致率 89%). ER あるいは PR のいずれかが陽性の例を HR 陽性とすると, 35 例中 34 例でセルブロックと組織の結果が一致し (一致率 97%), セルブロックと液状細胞診の結果は全例一致した.
結論 : 乳癌 HR 検査において, セルブロックと組織あるいは液状細胞診の結果は高い一致率を示した. セルブロックは染色の追加が容易で設備投資や消耗品の費用が安くてすむ点で, 液状細胞診よりも実務に適している.

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© 2012 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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