日本臨床細胞学会雑誌
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症例
気管支顆粒細胞腫の 2 例
鈴木 奈緒子星 利良古田 則行杉山 裕子佐藤 之俊元井 紀子石川 雄一宝来 威
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2012 年 51 巻 5 号 p. 354-359

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抄録

背景 : 気管支に発生する顆粒細胞腫はまれであり, その細胞像についての報告は少ない. 気管支に発生した顆粒細胞腫で, 細胞学的に核異型度の異なった 2 例を経験したので報告する.
症例 : 症例 1 は 45 歳, 女性. 症例 2 は 37 歳, 男性. 2 例とも胸部 CT にて右上葉に異常陰影が認められ, 肺腫瘍が強く疑われた. 経気管支穿刺吸引細胞診では診断が得られなかったが, 同時に採取された生検組織診で顆粒細胞腫と診断され, 肺葉切除術が施行された. 摘出材料の捺印細胞診にて 2 例ともに豊富な顆粒状細胞質を有する腫瘍細胞を集塊状ないし散在性に認め, 顆粒細胞腫と診断した. 症例 2 は大型核や紡錘形核を有する細胞が混在しており, 良悪の判定に苦慮した. 組織診にて 2 例ともに豊富な好酸性顆粒状細胞質を有する腫瘍細胞の充実性増殖を認めた. 腫瘍細胞はいずれも免疫組織化学的染色で S-100 蛋白陽性を示し, 顆粒細胞腫と診断された.
結論 : 顆粒細胞腫の細胞所見は境界不明瞭な顆粒状細胞質が最も特徴的な所見であるが, 症例により核に大小不同性や形状の多彩な像を示すことがある.

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© 2012 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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