日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
症例
子宮頸部細胞診で診断しえた子宮頸部小細胞癌の 1 例
野木 才美山崎 龍王藤田 裕小林 織恵大田 昌治小林 弥生子梅澤 聡
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 51 巻 5 号 p. 369-373

詳細
抄録

背景 : 今回われわれは, コルポスコピーおよび狙い組織診で異常所見を認めず, 子宮頸部擦過細胞診にて子宮頸部小細胞癌と診断しえた 1 例を経験したので報告する.
症例 : 34 歳, 0 経妊 0 経産, 不正性器出血にて当院を受診した. 内診, 経腟超音波, コルポスコピー検査にても異常所見を認めず, 唯一, 子宮頸部細胞診で小細胞癌 ; (非常に小型で N/C 比の大きい, 核が濃染した異型細胞を認め小細胞癌を疑う所見) であったため, 狙い組織診を施行するも頸管腺の一部に扁平上皮化生を認めるのみで悪性所見を得なかった. 画像検査 (MRI) においても子宮頸部に明らかな腫瘤像を認めなかったために診断的円錐切除を施行したところ, 正常な扁平上皮組織下の間質部に, 浸潤性の小細胞癌を認めたため, 広汎子宮全摘+両側付属器切除+骨盤および傍大動脈リンパ節郭清術を施行したところ, 摘出子宮に癌の残存を認めないものの, 骨盤リンパ節に 1 個 (1/42) 転移を認めたため, 術後補助化学療法を施行した. 以後 1 年 6 ヵ月経過するも再発傾向を認めていない.
結論 : 小細胞癌は予後不良であり, 今回のように摘出子宮に癌が残存していなくともリンパ節転移を認めることがあり, 安易な妊孕性温存意義は危険であると思われ, その診断に細胞診が有用であったために報告する.

著者関連情報
© 2012 公益社団法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top