日本臨床細胞学会雑誌
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症例
甲状腺びまん性硬化型乳頭癌の 1 例
—細胞像・組織像の検討—
西島 良美吉田 朋美佐野 孝昭平戸 純子小山 徹也福田 利夫
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2012 年 51 巻 6 号 p. 402-408

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抄録

背景 : 穿刺吸引細胞診 (fine needle aspiration cytology : FNAC) で推定しえた甲状腺びまん性硬化型乳頭癌 (diffuse sclerosing variant of papillary thyroid carcinoma : DSPC) の 1 例について捺印標本, thinlayer 標本と比較検討し, 組織像とともに報告する.
症例 : 35 歳女性. 超音波検査で両葉に粗造で微細な高エコー部が確認された. FNAC では通常の乳頭癌の細胞所見に加え, リンパ球主体の背景に多数の砂粒小体を含むやや平面的な充実性および球状集塊がみられ, 臨床所見を加味し DSPC が推定され, 甲状腺全摘出および頸部リンパ節郭清術が施行された. 肉眼的には左葉全体∼右葉下部にかけてびまん性に不明瞭な白色領域と左葉に明瞭な 1 cm 大の結節が認められた. 組織学的には高度なリンパ管侵襲がみられ, 多くの腫瘍細胞が拡張したリンパ管内に多数認められ, 加えて間質の線維化と著明なリンパ球浸潤, 多数の砂粒小体, 扁平上皮化生集塊がみられた. 捺印標本では乳頭状集塊の内部および辺縁部に渦巻き状の扁平上皮化生細胞集塊がみられ, thinlayer 標本では線維結合織と一塊となった砂粒小体を伴う乳頭状集塊を認めた.
結論 : FNAC では DSPC の特徴的な細胞像が認められ推定診断が可能であった. 捺印標本では扁平上皮化生細胞集塊が明瞭で観察容易であり, thinlayer 標本では結合織と一塊となり組織像を反映した集塊がみられた.

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© 2012 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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