日本臨床細胞学会雑誌
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症例
乳腺原発 large cell neuroendocrine carcinoma の 1 例
山田 佑輔江村 巌薄田 浩幸高頭 秀吉池津 満加藤 法男田村 正史山田 隆志
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2012 年 51 巻 6 号 p. 415-418

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抄録

背景 : 乳腺原発 large cell neuroendocrine carcinoma (LCNEC) は, WHO 分類で乳腺 neuroendocrine tumor (NET) の 1 亜型に分類されているまれな腫瘍である. 今回われわれは乳腺原発 LCNEC の 1 例を経験したので報告する.
症例 : 71 歳, 女性. 主訴は左乳房腫瘤. 穿刺吸引細胞診標本には中∼大型で多様な形態の腫瘍細胞が孤立散在性, 弱い結合性を示す大小の集塊として多数観察され, 索状やロゼット様の配列を示す小集団も認めた. 腫瘍細胞は chromogranin A 陽性であった. 組織標本では大型の腫瘍細胞が充実性に増生し, 索状や, ロゼット様の構造, 多数の核分裂像を認め, 免疫染色で chromogranin A 陽性を示すことから LCNEC と診断された.
結論 : 乳腺原発 LCNEC の 1 例につき, その細胞像を報告した. LCNEC の診断には細胞診標本の注意深い検討と免疫細胞染色が有用と考えられた.

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© 2012 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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