日本臨床細胞学会雑誌
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症例
子宮内膜に発症したマラコプラキアの 1 例
江原 輝彦是松 元子河村 憲一下地 恵吉松井 宏江清水 健柳本 茂久鈴木 雅子
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2013 年 52 巻 2 号 p. 139-142

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抄録

背景 : マラコプラキアが子宮内膜に発生することはきわめてまれである. 内膜報告例では高齢発症が多くいずれも不正出血を主訴とすることから, 臨床的には内膜増殖性疾患の否定が第 1 義である. 本例で認められた内膜スメアの所見, 組織像を報告する.
症例 : 87 歳女性. 不正出血を主訴として来院. 経腟エコーにて内膜肥厚がみられたため, 内膜細胞診, 組織診が行われた. スメアでは, 多数の好中球に混在し大型, 泡沫状の細胞質を有する von Hansemann 細胞が認められた. 細胞質内には, 境界明瞭な同心円状を呈する Michaelis-Gutmann 小体が 1∼数個みられた. 内膜腺は萎縮状で, 細胞異型や増殖性疾患を示唆する所見はみられなかった. 組織学的には内膜間質に上記細胞の集簇が確認された. 内膜表面はびらんを呈し, 多数の好中球浸潤を伴っていた.
結論 : 不正出血を主訴とする高齢者の内膜スメア細胞診に際しては, マラコプラキアの可能性を鑑別診断に含めることが重要である. 大型組織球の出現, Michaelis-Gutmann 小体の存在により確定診断に到達できると思われる.

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© 2013 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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