日本臨床細胞学会雑誌
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症例
肺原発印環細胞癌の 1 例
土田 秀中里 宜正神山 晴美布瀬川 卓也吉田 勤飯島 美砂小島 勝杉原 志朗
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2013 年 52 巻 2 号 p. 143-146

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抄録

背景 : 肺原発の印環細胞癌は WHO 分類や肺癌取扱い規約で腺癌の特殊型に分類される発生頻度のまれな腫瘍である. 今回, 肺原発の印環細胞癌を経験したので報告する.
症例 : 検診で胸部異常陰影を指摘された 41 歳の女性. computed tomography で右肺下葉に腫瘤が認められ, 肺癌が疑われたことから気管支鏡下肺生検が施行された. 生検組織の捺印細胞診標本では細胞質に豊富な粘液様物質を認める腫瘍細胞がみられ, 粘液産生性の腺癌を推測した. 生検組織では細胞質に粘液を有する印環細胞型の腫瘍細胞が認められ, 免疫組織化学的検索で腫瘍細胞の約半数で TTF-1 が陽性を示し, CK7 が陽性で CK20 は陰性であったことから肺原発の印環細胞癌と診断された.
結論 : 肺原発の印環細胞癌はまれな腫瘍であるが, 肺腫瘍に対する細胞診標本で細胞質に粘液を有する印環細胞型の腫瘍細胞が認められた場合, 他臓器の検索とともに本腫瘍の可能性も考慮する必要があると思われた.

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© 2013 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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