日本臨床細胞学会雑誌
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症例
気管支鏡下吸引痰細胞診で推定しえた肺胞蛋白症の 1 例
田島 秀昭荒川 文子齋藤 広樹村田 行則石井 幸雄當銘 良也石田 剛
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2013 年 52 巻 2 号 p. 152-157

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抄録

背景 : 肺胞蛋白症 (PAP) は, 肺胞を中心とした気腔内にサーファクタントが異常貯留する比較的まれな疾患である. 気管支鏡下吸引痰と気管支肺胞洗浄液 (BALF) 中に特徴的な微細顆粒状構造物と無構造物質を認めた PAP の 1 例を経験したので報告する.
症例 : 46 歳, 女性. 左乳房腫瘤精査の際, 胸部 CT で異常陰影を指摘され検査入院となった. 気管支鏡下吸引痰細胞診で, 微細顆粒状構造物や無構造物質を少量認め, PAP が疑われたが確定診断にはいたらなかった. 後日, 気管支肺胞洗浄が行われ, 乳白色の液を回収した. BALF 細胞診では, ライトグリーンに染まる微細顆粒状構造物を背景に, オレンジ G およびライトグリーンに染まる大小さまざまな無構造物質が無数に認められた. その内部構造は均一で層状構造は認めなかった. また, 無構造物質を貧食したマクロファージや泡沫状細胞質の大型マクロファージが観察された. 微細顆粒状物質および無構造物質は PAS 反応陽性であった. 経気管支肺生検にて, 組織学的に PAP と診断された.
結論 : 気管支鏡下吸引痰細胞診でも, 微細顆粒状構造物や無構造物質などの非細胞成分に注意を払い, 画像所見や臨床情報を加味することで, BALF 細胞診と同様, PAP の確定診断をすることができると考えられた.

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© 2013 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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