日本臨床細胞学会雑誌
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症例
肺および後縦隔に発生した骨髄脂肪腫の 2 例
鈴木 紗貴子齋藤 千世子佐々木 久横山 慶一三上 千尋檜山 美佐江黒滝 日出一
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2015 年 54 巻 1 号 p. 59-64

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抄録

背景 : 骨髄脂肪腫は成熟脂肪組織と骨髄組織からなる良性腫瘍で, 多くは副腎皮質に発生し, 胸部領域の発生は非常にまれである. 今回, われわれは肺および後縦隔に発生した骨髄脂肪腫の 2 例を経験したので報告する.
症例 : 症例 1 は 69 歳, 男性. 10 年以上前から胸部異常陰影を指摘され, 経過観察されていた. 陰影の増大傾向を認めたため, 肺癌疑いにて, 右下葉切除術が施行された.
症例 2 は 28 歳, 男性. 急性虫垂炎罹患時撮影した CT にて偶然, 後縦隔腫瘍を発見された. 脂肪肉腫疑いにて, 縦隔腫瘍摘出術が施行された. 両症例ともに術中捺印細胞診でリンパ球様細胞などを背景として, 脂肪細胞や分葉傾向の著しい多核巨細胞が散見された. また, 術中迅速組織標本で脂肪組織や種々の骨髄成分が観察され, 骨髄脂肪腫と診断された.
結論 : 副腎以外での骨髄脂肪腫の発生はまれであるが, 肺や後縦隔腫瘍において, 脂肪成分を含み, 分葉状核を有する多核巨細胞が観察された場合には, 骨髄細胞由来も考慮し, 鑑別診断の一つとして骨髄脂肪腫も念頭におく必要があると思われた. また Giemsa 染色や Diff-Quick 染色の併用が診断に有用であった.

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© 2015 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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