日本臨床細胞学会雑誌
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調査報告
細胞診従事者の職業性ストレス
—細胞検査士・病理技師・医師・事務職の職種間比較から—
須賀 恵美子生沼 利倫吉川 徹
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2015 年 54 巻 2 号 p. 119-127

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抄録

目的 : 細胞診従事者のメンタルヘルスに着眼し, 職業性ストレスの特徴とその対策を検討する.
方法 : 2012 年 1~4 月までの期間中, 細胞診関係者 503 名に対して, 職業性ストレス簡易調査票とコーピング特性簡易尺度, および自由記述からなるアンケート調査を実施した.
成績 : 細胞検査士は「仕事の量」, 病理技師は「仕事の質」, 医師は「家族・友人サポート」, 事務職は「仕事コントロール度」などのストレス要因に有意差を認めた. その対処・克服方法として, 細胞検査士は「気分転換」, 病理技師は「相談」, 医師は「視点の転換」, 事務職はすべての方法を満遍なく利用するという特徴がみられた. また「強度のストレス経験」は, 職種間に有意差を認めなかった.
結論 : 職種により異なる種類のストレスや対処・克服方法をもつことがわかった. 結果の活用は業務の発展に有益と考え, 継続的研究の必要性が示唆された.

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© 2015 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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