日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
症例
Small cell carcinoma of the ovary of the hypercalcemic type
—Intraoperative cytological findings of a case—
Masayuki SHINTAKUKyosuke WADATomoko WAKASAYuka MISE
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2015 年 54 巻 2 号 p. 164-169

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抄録

背景 : 高カルシウム血症を伴う卵巣小細胞癌は, 若年女性にまれに発生する細胞起源不明の高悪性度腫瘍であるが, その細胞像についての報告は少ない.
症例 : 39 歳, 女性. 腹部腫瘤を自覚して受診. 左卵巣に径約 18 cm の腫瘍を認め, 子宮ならびに両側付属器摘出術を施行したが, 術後 24 日肺塞栓症のため死亡された. 術前の血清カルシウム値は 10.8 mg/dl. 術中の腹水細胞診, 摘出腫瘍割面の捺印細胞診では, 結合性の乏しい小型類円形~多角形細胞がシート状に増殖. 核細胞質比は高いが, 核クロマチンは淡明. 核膜の不規則な肥厚を散見し, 小型核小体を認めた. 細胞質はレース状でライトグリーンに淡染し, 核に接して硝子様封入体を認める細胞もあった. 組織学的には小型細胞の密なびまん性増殖よりなる腫瘍で, 濾胞状構造, 大型異型細胞の増殖巣も混在していた. 免疫組織化学的に腫瘍細胞は vimentin, cytokeratin 陽性であった.
結論 : 高カルシウム血症型卵巣小細胞癌の細胞像は特異的所見に乏しく, dysgerminoma, 悪性リンパ腫などとの鑑別は細胞像のみからでは困難であり, 臨床像, 免疫組織化学所見などを総合して判定を下す必要がある.

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© 2015 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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