日本臨床細胞学会雑誌
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原著
EML4-ALK 融合遺伝子陽性肺癌の細胞学的検討
土田 秀神山 晴美中里 宜正布瀬川 卓也山崎 真美飯島 美砂鹿沼 達哉小島 勝
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2015 年 54 巻 3 号 p. 187-191

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抄録

目的 : これまでに ALK 陽性肺癌の特徴的な組織所見が報告されているので, 細胞所見について検討を行った.
方法 : 肺腺癌で ALK 融合遺伝子が検索され, 細胞診標本の検討が可能であった 46 例の 48 検体を用い, ALK 陽性群と ALK 陰性群で細胞所見などの比較を行った.
成績 : ALK 陽性群は捺印標本では集塊で出現し, 細胞質に粘液を含む細胞や印環細胞が認められた. 核は全体的に小型で核形不整は軽度~中等度であったが, 少数の大型細胞が混在していた. また, 体腔液検体で作製した標本では ALK 陽性群は集塊を形成する細胞数が多く大型集塊であった.
結論 : 細胞所見のみで ALK 融合遺伝子の有無を判定することは困難であるが, 捺印標本で粘液産生性細胞や印環細胞の出現に加え, 明瞭な核小体を有する小型異型細胞を主体に, 大型異型細胞が混在している場合や体腔液標本で大型の細胞集塊を認めた場合には, ALK 陽性肺癌の可能性を考慮する必要があると思われた.

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© 2015 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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