日本臨床細胞学会雑誌
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症例
免疫細胞化学染色を用いた胸水細胞診で再発と診断可能であった類上皮血管内皮腫の 1 例
亀田 夕貴新森 栄一郎伊藤 栄作根木 真理子関根 正喜中嶋 裕明石 巧江石 義信
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2015 年 54 巻 3 号 p. 205-209

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抄録

背景 : 類上皮血管内皮腫 (epithelioid hemangioendothelioma : EHE) は, 血管内皮由来への分化を示すまれな非上皮性 (低) 悪性腫瘍であり, 好発部位は骨軟部・肝臓である. 今回われわれは骨原発巣の手術後に胸膜転移・胸水貯留をきたし胸水穿刺細胞診で EHE と診断可能であった症例を経験した.
症例 : 70 歳代, 女性. 右足立方骨部痛で発症. MRI にて骨腫瘍を認め, 針生検による組織診で EHE と診断され切除術を施行した. 術後 2 年で胸水貯留と胸膜肥厚を認め, 胸水穿刺細胞診, 胸膜生検を施行した. 細胞所見では腫瘍細胞の核は偏在性で, 著明な核異型を認めた. 胞体には空胞を認めた. 免疫細胞染色では CD31, CD34 が陽性であり, 既往歴と併せて EHE と診断した. 組織所見では大小不同の核と好酸性胞体をもつ腫瘍細胞がみられ, 胞体に空胞を有し印環細胞様にみえる細胞も存在した. 免疫組織染色では CD31, CD34 が陽性で EHE の胸膜内転移と確定診断された.
結論 : 胸水中に出現する EHE 細胞は, 低分化腺癌や悪性中皮腫等と鑑別を要するが, 臨床所見および免疫染色による検討結果と併せることで組織型の推定が可能である.

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© 2015 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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