日本臨床細胞学会雑誌
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原著
内視鏡的逆行性胆管膵管造影下ブラシ細胞診における BD シュアパスTM液状化細胞診の診断精度と標本適否の検討
堀口 絢奈梅澤 敬梅森 宮加土屋 幸子石橋 智美副島 友莉恵沢辺 元司清川 貴子池上 雅博鷹橋 浩幸
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2015 年 54 巻 4 号 p. 238-243

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抄録

目的 : BD シュアパスTM法を用いた内視鏡的逆行性胆管膵管造影 (ERCP) 下ブラシによる細胞診の診断精度と標本適否について試みた.
方法 : 2013 年 4 月~2014 年 12 月で, ERCP 下ブラシ細胞診が施行された 31 例を対象とした. 細胞を採取したブラシ先端を切断して BD サイトリッチTMレッド保存液が入ったバイアルに回収し, BD シュアパスTM標本を 1 枚作製した. 細胞診は, negative, suspicious, positive, unsatisfactory に分類し, 組織診断と比較した.
成績 : 31 例の内訳は negative : 9 例, suspicious : 8 例, positive : 14 例, unsatisfactory : 0 例であった. Positiveとした 14 例のうち, 組織診が行われ, adenocarcinoma と診断されたのは 7 例であった. BD シュアパスTM標本の塗抹範囲は 13 mm 円内に限られ, 直接塗抹法でみられるアーチファクトはみられず, 細胞は良好に保存されていた.
結論 : BD シュアパスTM法は, 不適正要因を排除したクオリティーの高い塗抹標本を作製することが可能であり, 診断精度の向上に寄与する.

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© 2015 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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