日本臨床細胞学会雑誌
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原著
貯留胆汁細胞診・細胞判定基準の細胞検査士への応用と課題
—判定に難渋する症例での検討—
古旗 淳広岡 保明東井 靖子阿部 加奈子阿部 佳之権田 厚文
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2015 年 54 巻 5 号 p. 292-298

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抄録

目的 : 細胞検査士を対象に, 貯留胆汁細胞診・細胞判定基準 (以下, 判定基準) を判定に難渋すると思わる症例に応用した.
方法 : 後述する検討 1 で 39 名, 検討 2 で 116 名の合計 155 名の細胞検査士を, 経験年数別に A 群 (5 年未満), B 群 (5 年以上, 10 年未満), C 群 (10 年以上) に分けた. 判定に難渋すると思われる良性 2 例, 悪性 2 例について, Papanicolaou 染色標本中の細胞の写真を用い, 以下の手順で判定してもらった. 判定基準応用前として, 検討 1, 検討 2 ともにまず従来の各自の基準で判定してもらった. 次に応用後として, 検討 1 では用語説明後, 検討 2 では詳細な解説後に判定してもらい, それぞれの正診率を比較した.
成績 : 正診率は検討 1 の応用前で 45%, 応用後では 52%, 検討 2 の応用前で 42%, 応用後では 59%であった.
結論 : 判定基準は細胞検査士に対して, 判定に難渋すると思われる症例の正診率の向上に有用と思われた. 診断精度をさらに向上させるためには, 従来の胆汁細胞診に存在する各所見の評価の基準の曖昧さや個人差を解消させることができる, 客観的な異型度の基準の確立が必須と思われた.

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© 2015 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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