日本臨床細胞学会雑誌
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症例
乳腺 myofibroblastoma の 1 例
渡邊 いづみ刑部 光正鈴木 裕阿部 光展植松 美由紀柳川 直樹緒形 真也田村 元
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2015 年 54 巻 5 号 p. 313-317

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抄録

背景 : 乳腺の myofibroblastoma は, 乳腺間質の線維芽細胞や筋線維芽細胞に由来するまれな良性腫瘍で, その細胞像の報告は少ない.
症例 : 症例は, 68 歳の女性で, 6 年前より左乳房下部の腫瘤を指摘されていた. 3 回の穿刺吸引細胞診が施行されたが, うち 1 回でごく少数のライトグリーン淡染性胞体をもつ紡錘形細胞からなる小型集塊が採取されたのみで, いずれも検体不適正の判定となり, 診断目的に切開摘出が行われた. 境界明瞭な腫瘤で, 厚い帯状の膠原線維束間に淡好酸性胞体をもつ紡錘形細胞が疎に増殖していた.
結論 : Myofibroblastoma の穿刺吸引細胞像は, 本例のように膠原線維が多く細胞成分が少ない場合は細胞採取量が僅少となるなど, 細胞成分の多寡により細胞採取量に顕著な差が出る可能性がある. しかし, 採取細胞量が僅少であっても, 出現する細胞には非特異的な間質細胞と区別しうる myofibroblastoma 由来細胞と考えられる特徴がみられた. 本例のように細胞採取量が僅少となり, 検体不適正と判定されていることが, myofibroblastoma の報告が少ない理由の一つなのかもしれない.

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© 2015 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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