日本臨床細胞学会雑誌
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症例
男性乳腺の筋線維芽細胞腫の 1 例
星 暢夫中野 公子上田 香織小倉 祐紀子平林 かおる星 サユリ安藤 二郎五十嵐 誠治
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2015 年 54 巻 6 号 p. 383-388

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抄録

背景 : 乳腺筋線維芽細胞腫 (mammary myofibroblastoma : m-MFB) は主に中高年男女に生じる間葉系良性腫瘍である. 紡錘形細胞腫瘍の一つであるが, 細胞像の多彩性から細胞診断に苦慮する症例が多い. 今回われわれは男性 m-MFB の 1 例を経験したので報告する.
症例 : 70 歳代, 男性. 胸部打撲・肋骨骨折で近医を受診した際, 右乳頭直下に周囲との境界明瞭な腫瘍性病変を指摘された. 乳腺部分切除検体中には白色~灰白色調腫瘍病変が存在し, 同部から採取した捺印細胞診検体には紡錘形・多稜形細胞が緩い結合性の集塊状に, または孤立散在性に存在した. 核形不整が目立ち, 核溝や核内細胞質封入体を有する細胞が散見された. 組織学的には紡錘形腫瘍細胞の束状・類上皮様の増生があり, 膠原線維を介在していた. 免疫染色は desmin, CD34, SMA, vimentin, ER, PgR に陽性, CK (AE1/3), EMA, p63, E-cadherin, S-100 タンパクには陰性であった.
結論 : 紡錘形細胞からなる乳腺腫瘍の細胞診断では m-MFB の可能性も念頭に置き, 診断に臨むべきである.

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© 2015 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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