日本臨床細胞学会雑誌
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Prognostic Evaluation of T Lymphocyte Population in Body Cavity Effusions Secondary to Malignancy
M. TaniMasayoshi Takahashi
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1980 年 19 巻 4 号 p. 534-538

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抄録

悪性腫瘍とくに癌症例に併発した体腔液, すなわち胸水, 腹水中のTリンパ球分布が果たして局所防衛反応, および個体の予後との関連性においていかなる意義をもつかを検討する目的から, 体腔液中のリンパ球について, 羊赤血球ロゼット形成能とPHA刺激芽球比率を検討した. 全身状態の比較的良好な群では, 体腔液と末梢血中のリンパ球に著明な差異は示されなかったのに対し, 末期の重篤患者群においては, 体腔液中の悪性細胞の有無とは直接的関係なく, 体腔液中Tリンパ球は末梢血中のそれよりも高値を示した. 一方, 末梢血中のTリンパ球をみると, 健康人対照例よりも有意差 (P<0.01) をもって減少していた. つまり, われわれの観察では, 体腔液中のTリンパ球は末梢血中のTリンパ球が正常域に維持されていない限り, 全身の防衛反応の増強を指摘するものではなかった. 結論的に, 胸腹水を併発した患者の予後は末梢血リンパ球, とくにTリンパ球数と関連性のあることをみとめた.

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© The Japanese Society of Clinical Cytology
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