日本臨床細胞学会雑誌
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甲状腺結節性病変における核DNA量解析の診断的意義
矢谷 隆一草野 五男村林 嘉郎太田 昌親伊藤 忠弘斎藤 みち子柴田 偉雄
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1981 年 20 巻 1 号 p. 1-7

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抄録

顕微分光測光法による核DNA量の定量は, 簡便でかつ正確な定量が可能になったため, 現在では基礎および臨床の各分野で広く応用されている. ここでは甲状腺結節性病変の核DNA量を定量し, その診断的意義について検討した. 結節性病変のうち, 結節性甲状腺腫, 濾胞状腺腫および乳頭状腺癌例を対象としたが, これらの病変のいずれにも単峰性および多峰性のDNA分布を示す症例が認められる. しかし乳頭状腺癌においては多峰性を示す症例が多い. 最頻値は, 結節性甲状腺腫および濾胞状腺腫例においては低2倍体から3倍体にみられるが, 乳頭状腺癌例は低2倍体から低4倍体と幅が広く, 3倍体以上の症例はすべて乳頭状腺癌例であった. DNA定量の結果から各種病変を診断することは困難であるが, 3倍体以上の症例は癌腫例の可能性が強く, またクロマチン量という1つのパラメーターを客観化するという意味から, DNA量の測定はもっと実用化する必要があると考察される.

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