日本臨床細胞学会雑誌
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子宮頸部上皮内癌の腺腔内浸潤部における細胞診およびコルポスコピー所見の検討
千綿 教夫松隈 孝則佐藤 伸子石田 禮載杉下 匡天神 美夫
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1981 年 20 巻 1 号 p. 100-108

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抄録

東京都がん検診センターにおける最近6年6ヵ月間の子宮癌検診受診者総数は98, 664名, 発見された子宮頸癌は287名である. そのうち細胞診のみ陽性, コルポ診生検組織診ともに陰性で, 手術によって診断の確定された症例は9例 (上皮内癌5例, 早期癌2例, 異型上皮2例) であった. 上皮内癌の5例においては, 病巣は頸管内に存在し比較的小範囲のものが多く, 腺腔内で強い増殖を示していた。
細胞診断学的には, 次のごとき特徴が認められた.
(1) 追跡細胞診の経過中に細胞診成績は容易に陽性から陰性へ, 再び陽性へと変動推移した.
(2) 追跡経過の終期にみるclass Vは異型性ある変性無構造核所見を主としていた.
(3) 頸管内擦過細胞診においていっそう強い陽性所見がみられた.
(4) 細胞診上に異型性扁平上皮系細胞による腺腔様模様が明瞭に認められた.
早期癌に進展した場合は, 多彩な悪性像を呈し, 上皮内癌にみる特徴は失われていた.
細胞診単独陽性例においては上記諸所見に留意し, 頸管内の病変について対応を誤らぬように注意する必要があろうと思われた.

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