日本臨床細胞学会雑誌
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肺小細胞癌の細胞像と化学療法の効果
曾根 啓子宝来 威
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1981 年 20 巻 1 号 p. 23-29

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抄録

肺小細胞癌で, 化学療法剤の効果を予測し, 治療をより有効に行う目的で, 小細胞癌細胞の形態学的解析を行った. 治療前に気管支鏡下病巣擦過法で得られた小細胞癌細胞の形態学的特徴と, cyclophosphamideの治療効果との相関を検討した.
cyclophosphamide治療での著効群では, クロマチンが密に分布し, 核が明るくみえる細胞が多く出現した. 一方無効群では, クロマチンが粗く密に分布し, 核が暗くみえる細胞と, クロマチンの分布が疎で不均等な細胞が多く出現した. 著効群に多く出現した細胞を化学療法に対する効果の良い細胞 (response-good cells), 無効群に多く出現した細胞を化学療法に対する効果の悪い細胞 (response-poor cells) とし, これらの細胞の出現率から, 治療前に化学療法に対する効果の予測を行い, 多剤併用による化学療法を行った. これらの効果の予測は実際の化学療法の効果とよく一致し, 小細胞癌細胞の細胞形態からの化学療法の効果の予測は, 多剤併用療法にも十分応用ができる.

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