日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
制癌剤注入による体腔液中腫瘍細胞の変化
ステロイド剤併用例と比較して
山田 章吾武田 鉄太郎山形 淳磯野 晴一高相 和彦新沢 陽英佐藤 裕美子長谷 とみよ鈴木 真喜子石岡 国春
著者情報
ジャーナル フリー

1981 年 20 巻 1 号 p. 64-68

詳細
抄録

制癌剤の体腔内直接注入による体腔液中腫瘍細胞の変化を観察することによって, 制癌剤の最も有効な投与量, 投与方法を検討した. 胃癌28例, 乳癌9例, 卵巣癌6例, 大腸癌4例, 肺癌3例, 膵癌3例の計53例の癌性胸腹水例を対象とした.
使用した制癌剤はMMCが最も多く, ステロイド剤を併用した例もあった.制癌剤注入前後の標本について, 癌細胞集団の小型化・散在化, 癌細胞の膨化, その他の癌細胞変化の3項日を中心に比較検討し, 次の結果が得られた.
(1) 割癌剤直接注入により癌細胞集団の小型化・散在化および癌細胞の膨化が著明に観察された. その他の癌細胞変化核濃染, 核形異常, 空胞形成などは比較的に軽度で, しかも発現時期が多少おくれる傾向があった.
(2) 制癌剤注入による細胞変化は3日日から出現し, 制癌剤の有効持続期間は2週間前後と考えられた.
(3) 制癌剤の効果は1回注入量より累積量と相関する傾向があった.
(4) ステロイド剤併用は, 特に細胞集団の散在化という点で制癌剤の作用を増強する傾向があった.

著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top