日本臨床細胞学会雑誌
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喀痰中の肺腺癌細胞集団の計数的解析
斉藤 泰紀Anusak YIENPRUGSAWAN赤荻 栄一須田 秀一佐藤 博俊橋本 邦久
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1981 年 20 巻 4 号 p. 638-647

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抄録

肺腺癌35例の喀痰中の腫瘍細胞集団の計数的解析を行った. 便宜上, 単個細胞は1個の細胞集団として扱った. 喀痰はサコマノ氏液 (50%エタノール, 2%カーボワックス水溶液) により固定し, 1, 800 r. p. m. 3秒間から, 18,000 r. p. m. 1,000秒間までの種々の条件下で攪拌し, 鏡検した. 腫瘍細胞集団の攪拌による解離の程度は, 腫瘍細胞集団数の腫瘍細胞数に対する比 (n/N) により適切に反映された. 18,000 r. p. m. 30秒間の攪拌条件下では, 低分化型腺癌のn/N値は, 中分化あるいは高分化型に比較して有意に高値を示した (P<0.01). 以下の式による, 構成する細胞数 (i) 別の細胞集団の期待される出現度数 (ei) は, 実測によって得られた出現度数ときわめて近い値をとり, 適合度検定により, 実測した76標本中63標本が容認された. この式によって表現される細胞集団の解離の様式は, n/N値によってのみほぼ規定されている.
ei=n{(1-g(i-1)/N)n-1-(1-g(i)/N)n-1}ただしg (i) =2.6 (i-0.4) 0.6, i=1, 2, 3…N g (o) =0

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