日本臨床細胞学会雑誌
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胃悪性疾患における生検組織診と同一材料塗抹細胞診併用の意義
工藤 浩史鎌迫 陽飯塚 保夫古賀 成昌喜安 佳人谷田 理佐々木 義夫
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1981 年 20 巻 4 号 p. 648-656

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抄録

最近3年間の胃悪性疾患に対し, 生検材料を用いて塗抹細胞診を行い, 同一材料による組織診と細胞診両者の成績を比較, 検討した. 対象症例は進行胃癌115例, 早期胃癌45例, 胃肉腫3例の計163例であった. 進行癌では, 細胞診88%, 組織診で87%の正診率で両者併用では90%の正診率であった. 早期癌では, 細胞診で78%, 組織診で69%の正診率で, 両者併用では82%の正診率であった. 全症例163例中, 細胞診, 組織診ともに正診が得られたのは124例 (76%) であり, 14例 (8%) では細胞診でのみ正診が得られ, 6例 (4%) では組織診のみで正診が得られ, 19例 (11%) では細胞診, 組織診ともに誤診であった. このように, 胃悪性疾患に対しては, 細胞診の方が高い正診率が得られたが, 細胞診と組織診の併用で正診率はさらに向上した. この原因は組織診で判定できなかった少数の悪性細胞が細胞診で判定されたものと思われる. 一方, 両者いずれかが誤診例では生検採取材料数が少ない傾向にあることなどから, 適切な材料採取が必要と思われる.

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