日本臨床細胞学会雑誌
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細胞診における酵素抗体法応用に関する基礎的研究
椎名 義雄沢田 好明川生 明根本 則道佐藤 秀子志方 俊夫武田 敏
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1982 年 21 巻 1 号 p. 8-14

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抄録

酵素抗体法を細胞診に応用するため, 基礎的検討を行った. 捺印スミアは液性成分を十分取り除き, 細胞を一層に塗抹することが必要で, 細胞が十分得られる検体は可能な限りwash out methodにより, 細胞外に存在する抗原を洗い流し, 背景の染色性を除去した. 固定は抗原活性の低下を恐れず, 十分行うことが肝要で, メタノール・エーテルによる湿固定は陽性所見が鮮明で, 細胞の膨化・変形等の所見はみられなかった. 乾燥例は4℃アセトンで30~60分の固定で良好な結果が得られたが, 陽性所見はややび慢性になった. 蛋白分解酵素による消化は免疫反応を増強させたが, 背景の染色性を減退させる効果はなかった. 界面活性剤の使用は特異染色のみならず, 内因活性を増強させ, 陽陰のコントラストに欠けた. 検出法は間接法で背景の染色性が少なく, 抗血清の力価が高い場合は本法で十分目的が達せられた. PAP法は強い増感効果を得たが, 背景に顆粒状の非特異的染色のみられることがあった. 以上, 各項目の適切な組み合せにより, 細胞診に応用しても十分信頼性のあることが明らかになった.

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