日本臨床細胞学会雑誌
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子宮原発悪性中胚葉性混合腫瘍の1例
日野 侃土岐 政嗣小沢 尚男子川上 ろく桜井 勇森 吉臣瀬木 和子根本 充弘田中 昇
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1983 年 22 巻 1 号 p. 117-124

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抄録

子宮中胚葉性混合腫瘍は比較的まれであり, 診断が困難である.
不正出血と下腹部痛を主訴とした53歳閉経婦人の子宮体部中胚葉性混合腫瘍の1例を報告した. 本症例の腫瘍は組織学的に癌成分と肉腫成分両者により構成されていた. 前者は高度分化型腺癌が主成分であり, 後者は同所性成分として内膜間質肉腫, および異所性成分としては横紋筋肉腫により成り立っていた. 術前, 内膜生検による組織像では非上皮性成分のみで癌と肉腫の共存を示す所見は得られなかったが, 細胞診所見では, 内膜間質肉腫由来と考えられる非上皮性悪性細胞が, 腺癌を疑わせる上皮性悪性細胞とともに存在していた.

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