日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
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閉経後婦人の細胞診における過評価例の検討
佐久間 達朗秋葉 隆三西野 るり子和泉 滋長谷川 寿彦筒井 章夫栗原 操寿
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22 巻 (1983) 4 号 p. 703-710

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抄録

閉経後婦人の細胞診では良性, 悪性の判定の困難な細胞が出現することがしばしぼ経験される.閉経後婦人1,638名のうち, コルポスコピー, 組織診に異常がなく細胞診のみに異型細胞を認めた症例を1年間追跡し, 細胞診に見合う組織的裏付けの得られなかった54例を選定し, 細胞診過評価例として検討した.54例の内訳はクラスIIIa44例, クラスIIIb3例, クラスIVおよびV7例である.
1) クラス分類別の過評価の発生率は, クラスIIIa65例中44例 (67.7%), クラスIIIb48例中3例 (6.3%), クラスIVおよびV75例中7例 (9.3%) であり, 全体としては1,638例中54例 (3.3%) であった.
2) ホルモン細胞診による内分泌背景が高度な萎縮像になるほど, 過評価例の増加する傾向が認められた.
3) 過評価例の細胞像は, 曇りガラス状クロマチンの腫大核を有する扁平上皮細胞と, 濃染核を有する頸内膜細胞が多く, そのほかにはinspissated mucus, tissue repair, parakeratosis, Koilocytosisであった.
4) 過評価例の再検討により, 18例 (33.3%) は陰性としてもよい細胞像であったが, 36例 (66.7%) は高齢者の細胞診では避け得ない過評価例と考えられた.

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