日本臨床細胞学会雑誌
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パパニコロ染色作業中におこる癌細胞の他標本への付着について
山岸 紀美江渡部 庸一日吾 雅宜上井 良夫纐纈 博田嶋 基男
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1983 年 22 巻 4 号 p. 775-779

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抄録

パパニコロ染色過程におこる癌細胞の混淆について, その源となった検体と被害を受けた検体とを観察し若干の知見を得, 有効な予防法を工夫したので報告する.
1. 癌細胞を染色過程中に剥離しやすい検体は頻度の高い順に, 体腔液, 尿, 腟脂膏, 肺針穿刺などであった.
2. 癌細胞が染色過程中にほかの検体から付着しやすい検体は頻度の高い順に喀痰, 尿, 腟脂膏, 胸水, 気管支洗浄液であった.
3. 固定, 染色終了後に使用した液を濾過するとすべての液から剥離した細胞が認められた.
4. 固定, 染色液の上層, 中層に浮遊している剥離した細胞がほかの標本に付着しやすい.
5. ほかの検体から付着した癌細胞の形態は, 癌の原発巣, 組織型にかかわらず, ほぼ類似していた.すなわち核細胞質比の大きい, 円~類円型の直径15μ内外の細胞が多かった.
6. 混淆の防止には固定液槽の個別化, 細胞接着剤の利用, スプレー固定の利用, 染色籠の改良, 染色順序の考慮などが有効であった.
7. 混淆した細胞の同定には同日の陽性例を同一人が通覧して行う必要がある.

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