日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
制癌剤投与による癌性胸腹水の細胞像の変化
甘糟 仁佐藤 裕美子武田 鉄太郎山形 淳高相 和彦新沢 陽英山田 章吾松田 尭斉藤 博之長谷 とみよ鈴木 眞喜子
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23 巻 (1984) 4 号 p. 549-553

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抄録

体腔液中の癌細胞が非癌細胞と容易に鑑別できた10症例 (胃癌5, 乳癌2, 食道癌, 結腸癌, 卵巣癌各1) を対象として, 体腔内に制癌剤あるいはステロイド剤を直接注入することにより, 体腔液単位容積あたりの有核細胞数, 特に癌細胞数の変動と各種細胞相互の比率の変化について検討した.
治療により, 体腔液中の有核細胞一特に癌細胞一は著明に減少した.リンパ球は変動の幅が小さく, 治療によりその比率の高くなる例が多かった.治療内容別には, Mitomycin-C単独よりもステロイド併用例が, 細胞数が早期に減少した.癌細胞陰性化3例の治療前の細胞像には一定の傾向を認めなかった.
体腔液貯留から死亡までの期間が16週以上は, 乳癌, 卵巣癌各1例, 8週以上は胃癌1例で, 3例は4~6週, 4例は4週以内に死亡した.このように, 生存期間には差があるが, 治療による有核細胞数, 特に癌細胞が減少するというパターンには大差なく, 大多数は, 癌細胞の減少あるいは消失した状態で死亡した.

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