日本臨床細胞学会雑誌
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子宮体部原発中胚葉性混合腫瘍の細胞診と組織診
エンドサイト細胞採取法を用いた子宮腔内細胞診を中心にして
高橋 健太郎山根 由夫木島 聡渋川 敏彦山本 和彦松永 功北尾 学
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1984 年 23 巻 4 号 p. 622-626

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抄録

子宮体部の中胚葉性混合腫瘍は, 臨床的に診断が困難であり, 細胞診断学上においても興味ある疾患である.今回, 55歳の婦人の膣細胞診にてadenocarcinomaを疑い, エンドサイトを用いた子宮腔内細胞診でmixed Müllerian tumorと術前診断できた, 子宮体部原発中胚葉性混合腫瘍の1例を経験したので, 中胚葉性混合腫瘍のエンドサイトを用いた子宮腔内の細胞診像を中心に報告する.
本症例は組織学的に, 高度分化型腺癌と内膜間質肉腫および横紋筋肉腫より構成されていて, 術前の膣細胞診では, N/C比の増大した重積性のある核小体の目立つ腺癌を疑わせる細胞のみを認めたが, エンドサイト法による子宮腔内細胞診では, 上述した腺癌細胞と孤立散在性に出現する, 多彩な形態をした非上皮性悪性腫瘍を疑わせる細胞が混在していた.
最終的には, PTAH染色により, 細胞質に横紋構造を検出し, 中胚葉性混合腫瘍と診断した.

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