日本臨床細胞学会雑誌
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肺野結節状陰影に対する経皮的肺穿刺生検
楠 洋子奥平 由美子佐々木 政臣川端 幸福岡 正博玉井 精雄高田 実根来 俊一古瀬 清行橋本 武志河原 正明
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1985 年 24 巻 3 号 p. 440-450

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抄録

胸部X線上, 肺野末梢の腫瘤状陰影を呈する279例に経皮肺穿刺生検を299回施行した.悪性腫瘍182例中165例 (90.7%) に陽性所見を得た.
得られた穿刺細胞像は, 原発性肺癌では, 喀痰細胞診や経気管支的擦過細胞診などの剥離細胞像と異なる所見もあり, 詳細に検討した.組織診との一致率は81.1%であった.転移性肺腫瘍では, 穿刺細胞診より大腸癌や腎癌の一部で原発巣推定可能な所見を得た.
また, 陰性例19例 (延べ21回) についての検討を行い, その原因としては, 壊死物質しか得られなかったこと, 腫瘤の位置による手技的困難なことが考えられた.
合併症については, 気胸21例 (7.0%), 血痰10例 (3.3%), 胸壁播種2例 (1.0%) であった.

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