日本臨床細胞学会雑誌
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悪性Triton tumorの1例
畠 榮福屋 崇津嘉山 朝達中川 定明
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1985 年 24 巻 3 号 p. 513-517

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抄録

Von-Recklinghausen 病の17歳男性に伴発したmalignant Triton tumor と思われる症例を経験した
自験例における捺印細胞像は紡錘形の繊細な細胞質をもつ細胞が多数みられ, これに混在して円形, 多稜形, 長紡錘形あるいは帯状, ラケット状を呈する細胞もみいだされた. 細胞質はライト緑に濃く染まり, 細胞質内にはうずまき状の線維物質あるいは明瞭な横紋構造がみられた. さらに核の偏在傾向とライト緑好性の円形胞体をもったいわゆる横紋筋芽細胞も認められたためTriton tumorの可性能を疑った.
組織学的には悪性神経鞘腫に横紋をもつ短紡錘型細胞の混在があり捺印細胞診を裏づけるような所見を得た. 本腫瘍はまれな腫瘍であり, これの細胞像および酵素抗体法などもあわせ報告した.

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