日本臨床細胞学会雑誌
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後腹膜巨大類粘液型脂肪肉腫の1例
森 俊彦舟木 憲一庄司 克吉斉藤 麗子志和 恵美子
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1986 年 25 巻 1 号 p. 139-144

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抄録

64歳の女性に発生した後腹膜原発の類粘液型脂肪肉腫の1例を経験し, その組織像, 細胞像などを検討したので報告する.
脂肪肉腫の組織型には種々のタイプがあり, それぞれに特徴的な細胞診所見を呈すると考えられる.われわれが今回経験した類粘液型脂肪肉腫の細胞診所見では, 背景に類粘液様物質が存在し, おもに紡錘形, 星芒状, 円形ないし楕円形のhyperchromaticな細胞からなり, そのほかに多核の巨細胞も散見された.ほかのタイプの脂肪肉腫では脂肪球や脂肪芽球, 線維状の細胞, 細胞異型の著明な細胞, そのほかが出現し, その出現頻度や脂肪染色, 銀染色などの特殊染色はこれらの鑑別診断に有用であり, 細胞所見においても, ある程度組織型の推定が可能であると思われた.

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