日本臨床細胞学会雑誌
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子宮内膜細胞採取器具オネストブラシによる内膜細胞診
特に被験子宮の大きさとの関係についての考察
松山 敏剛松隈 敬太嘉村 敏治松村 真理子加来 恒寿塚本 直樹
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1986 年 25 巻 3 号 p. 412-416

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抄録

子宮内膜細胞採取器具オネストブラシを外来患者103例に使用し, 19例 (18.4%) の標本に全く内膜細胞を認めず判定不能であった.同時期にエンドサイトを用いて内膜細胞診を施行した98例の症例の判定不能標本は7例 (7.1%) であり, オネストブラシに判定不能の標本が頻繁に出現した.判定不能の標本は子宮腔長が9cm以上の症例 (38.5%) と臨床診断が子宮筋腫であった症例 (38.9%) の細胞標本に著明に認められた.これはオネストブラシの構造と関係があると思われた.
以上よりオネストブラシで内膜細胞診を行う場合は事前に子宮の大きさを内診等で確認し, 大きさが増大した子宮の場合は, ほかの採取方法を考えるべきではないかと考えられた.

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