脊髄腫瘍の捺印細胞診で印環細胞様腫瘍細胞を多数認め, 転移性腫瘍との鑑別が問題となった症例 (60歳, 男性) を経験した.腫瘍細胞の示す印環細胞様構造の本態は, 1~2個の細胞よりなるependymal tubuleで, 腫瘍は特異な組織像を呈する脳室上衣腫と診断された.悪性印環細胞との鑑別点は, 本腫瘍細胞が繊維性突起を有すること, 細胞異型に乏しいこと, PAS反応が陰性であることの3点である.また, 粘液組織化学的検索により, 腫瘍細胞のsurface coatにglycosaminoglycan (GAG) を認めた.