日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
頭蓋底脊索腫の細胞形態
奥山 隆三今井 俊介螺良 義彦
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25 巻 (1986) 4 号 p. 722-725

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抄録

頭蓋底部のBlumenbach斜台に原発した脊索腫の1例を報告した.患者は20歳の女性で主訴は複視であった.
腫瘍は灰白色で軟らかく, 小脳橋角部に浸潤しており, 組織学的には大部分が線維性結合組織で境された小葉構造を呈していた.細胞学的には, 腫瘍細胞は担空胞細胞と空胞を有しない上皮性細胞を認めた.前者は脊索腫に出現する独特の腫瘍細胞で, 大きな細胞質内空胞と偏在した濃染核を有し, PAS染色で細胞質は陽性でmucinを有すると考えられるが細胞質内空胞は陰性であった. 脊索腫はその発育段階によって3つの細胞学的特徴が認められるといわれているが, 本症例は担空胞細胞が大部分を占め比較的悪性度の低い成熟傾向を示す脊索腫であったと考えられる.

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