日本臨床細胞学会雑誌
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肺野腫瘤状陰影を呈する非腫瘍性肺病変に認められた異型細胞
鬼塚 正孝赤荻 栄一山部 克己塚田 博船越 尚哉石川 成美小川 功森田 理一郎村山 史雄中川 晴夫村山 由美子三井 清文
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1986 年 25 巻 6 号 p. 1048-1051

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抄録

胸部X線写真上肺野腫瘤状陰影を呈した2例の非腫瘍性肺良性疾患の擦過細胞診に出現した異型細胞について検討した. 第1例は4O歳主婦の器質化肺炎例で, 核小体の著しく肥大した大型の類円形の核を有する異型細胞を認めた. この細胞の核所見からのみでは高分化腺癌との鑑別が困難であったが, 細胞の数が少なく結合性の強いことが悪性との鑑別の要点であると考えられた. 第2例は33歳の主婦で, 肺硬塞発症後3~4日めに核小体の目立つ未熟な扁平上皮化生細胞に類似した細胞を認め, 組織修復細胞との関連が考えられた.

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