日本臨床細胞学会雑誌
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腟原発の悪性線維性組織球腫の1例
特にその細胞像について
譜久山 當晃松井 武寿保泉 恵子江良 英人塩原 明子石原 理松沢 真澄田久保 海誉北野 元生高山 昇二郎
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25 巻 (1986) 6 号 p. 1086-1091

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抄録

52歳女性の腟原発の悪性線維性組織球腫 (MFH) を経験したので報告する. 5ヵ月前に腟壁の腫瘤切除術を受け, 同部位に腫瘤が再発した. 腫瘤は前腟壁2/3と傍腟組織へ浸潤し, 5ヵ月後肝転移, 骨転移などの全身転移のため死亡した. 細胞所見としては, 線維芽細胞様細胞, 組織球様細胞, 単核および多核異型巨細胞が認められ, ほかに奇妙な裸核巨細胞も散見された. 線維芽細胞様細胞は, 異型がやや弱く少数存在し, 組織球様細胞はおもに異型の強い細胞で多数出現し, 一部細胞質に貪食能を示唆する黄緑色の顆粒状物質を認めた. 病理組織学的所見としては, 線維芽細胞様細胞と組織球様細胞が混在し, 多数の単核および多核細胞が存在し, storiform patternを認めた. 電顕的にもMFHを支持する所見が得られ, 酵素抗体間接法で, S-100蛋白, α1-antichymotripsin染色陽性であった. 腟細胞診において, 前記の臨床細胞学的所見の存在する場合にはまれではあるがMFHの存在を考慮する必要があると思われた.

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