日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
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成熟奇形腫を伴ったSertoli-Leydig細胞腫の1例
捺印細胞所見
菰田 温美布川 茂樹松田 勲上中 雅文熊谷 千晶井上 幸男岩崎 琢也笹生 俊一
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1987 年 26 巻 1 号 p. 124-128

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抄録

53歳, 4妊2産の主婦が左下腹部の腫瘤に気づき来院. 口髭と下肢に軽度の多毛を認めたが, 内分泌検査では異常は認められなかった. 左卵巣の小児頭大の腫瘤を認め, 摘出を行った. 腫瘍は充実性であったが, 一部に嚢胞性病変を認めた. 充実性部分は組織学的に低分化型のSertoli-Leydig細胞腫で, 嚢胞性部分は成熟奇形腫であった.
腫瘍の捺印細胞は大小不同が著しく, 核は類円形で偏在し, 染色質は粗ないし細顆粒状で, 明瞭な核小体が認められた. 少量の胞体はcyanophilicであった. これらの捺印細胞とは明らかに区別しうる, 円形の核と豊富な胞体を有した細胞がみられ, 胞体は小空胞状を呈していた.後者の細胞がLeydig細胞に分化を示す細胞と考えられ, 捺印細胞診でのSLCTの診断上, 最も重要な所見と考えられる.

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