日本臨床細胞学会雑誌
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老年者の腟スミアにおけるいわゆる萎縮像の検討
小池 昇樋口 龍夫坂井 義太郎
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1987 年 26 巻 1 号 p. 29-34

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抄録

60歳から98歳までの女性711例の正常腟スミアを用いて “萎縮像” の検討を行った. また65歳から100歳までの女性54例の剖検材料を用いて組織学的背景を検討した.
萎縮像を示す腟スミアは375例に対し非萎縮像は336例でほぼ半々の割であり, これは加齢による有意の増減を示さなかった.
萎縮型細胞はシート状ないし合胞状 (S型) 細胞, 裸核 (N型) 細胞, 類円形 (R型) 細胞, 多角形 (P型) 細胞の4型およびその変性像と変形像に分けられた. S型細胞は最も多く出現し (46.1%), 萎縮像の基本となる細胞と考えられた.
腟壁の扁平上皮組織を成熟型と退縮型に分けると前者は21例 (38.9%), 後者は33例 (61.1%) であり, 両者とも60歳代から90歳代の各年代群に認められ, 100歳の1例は成熟型であった. 退縮型の組織像を観察すると, 上皮細胞は4から8層の旁基底細胞からなり, その形態は一様ではなく, SNRPの各萎縮型細胞に該当する細胞が認められた.

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