日本臨床細胞学会雑誌
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硬変肝の細胞計測
特に担癌例と非担癌例の差異
手塚 文明
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1987 年 26 巻 1 号 p. 83-86

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抄録

硬変肝の肝細胞計測を行い, 担癌例と非担癌例の細胞学的差異を明らかにした. 担癌肝硬変16例と非担癌肝硬変17例および正常対照15例の剖検肝を用い, 次のパラメーターを計測した. NVO (単位容積肝組織中の肝細胞核の個数), D (肝細胞核の平均直径), S (肝細胞核直径の標準偏差) およびN/C (肝細胞の核・胞体容積比). その結果「担癌硬変肝」の非癌部では, NVOの増加, DとSの減少, N/Cの上昇が認められ,「非担癌硬変肝」との間に有意差を示した. 肝細胞癌は硬変肝実質中に多中心性に発生することが多く, 硬変肝偽小葉実質は前癌状態にあるとみなされる. 本研究の結果は, この前癌状態が「N/Cの高い, 核の大小不同性の低い, 小型肝細胞の過形成」によって特徴づけられることを示唆している.

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