日本臨床細胞学会雑誌
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早期潜在乳癌の乳汁剥離細胞学的所見と組織学的所見
5症例の検討
海老原 善郎佐々木 久美子前田 陽子清水 雅子大村 剛
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1987 年 26 巻 1 号 p. 95-101

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抄録

乳汁中に悪性腫瘍細胞が検出されたが, 腫瘤は触知されず, 種々の画像診断法によっても腫瘍の存在が証明され得なかった乳癌の5例を報告する.
乳汁中に出現した癌細胞は核の長径が9μ前後の小型細胞からなり, 10~50個の細胞からなる集塊が大部分であったが, 症例により1,000個内外のものもあった.背景は血性で, 泡沫細胞も多数出現した.組織学的に癌の多くは管内性に腫瘤を作らずに多発していたが, 乳頭直下の集合管あるいは乳腺実質に小さな管内乳頭癌とclinging carcinomaがみられることが共通しており, これが乳汁中への癌細胞出現の起源と考えられた.
乳腺の早期癌の細胞学的所見と組織学的所見について簡単な考察を行った.

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