細胞診および組織診のある肺小細胞癌16例を対象に, アルシャンブルー-PAS染色, ABC法でCEA, Keratin, SC, NSE染色を, さらに7例は電子顕微鏡による検索を行い, 小細胞癌の分化の多様性について検討した.
NSEは16例中10例, 神経分泌顆粒は7例中4例が陽性で, 小細胞癌の神経内分泌系への分化が指摘される.
一方, Kefatin6例, CEA9例, SC3例に陽性, AB-PAS染色も6例に陽性の部分がみられ, 電顕でも張原線維1例, デスモゾーム5例, 分泌顆粒5例, 微絨毛1例にみられ, 小細胞癌の上皮性としての性格がみられるなど, 分化の多様性がうかがわれる.