日本臨床細胞学会雑誌
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一空腸癌の細胞像と腫瘍マーカー (症例報告)
成田 元也西野 武夫菅野 勇花輪 孝雄鍋嶋 誠也武田 雄一河西 十九三久保田 浩山崎 健
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1987 年 26 巻 3 号 p. 465-470

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抄録

原発性空腸癌の発生頻度はきわめて低く, 最近14年間の本邦報告例でも, 200例に満たない, したがって空腸癌の細胞像に関する報告も, 文献上ほとんどみられていないこ. 最近, われわれは原発性空腸癌を経験し, その捺印細胞像の検索と, CEA, CA 19-9, CA 125の腫瘍マーカーによる免疫組織化学的検索を行い, 興味ある知見が得られたので報告した.
(1) 細胞形態は, おおむね高円柱状で, 核は類円形ないし楕円形であった. 核形の不整, 核縁の不均等肥厚の比率は半数以上であり, 核小体は2μ 以下で2~3個認めるものが多かった. 核chromatinの性状と分布は粗顆粒状不均等分布のものが主体であり, 全体的に高分化型乳頭状または管状腺癌を示唆していた.
(2) CEA, CA 19-9, CA 125の腫瘍マーカーの血中濃度は術前高値を示し, パラフィン包埋切片による酵素抗体法染色でも陽性であった.
CEAとCA 19-9の染色態度は類似しており, 細胞質表面で強い染色傾向にあった. また, CA125では, 管腔内側の核の辺縁に, 小胞状に局在して認められた.

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