日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
経皮針生検細胞診で悪性と確診された胸腺腫の1例
山川 久美柴 光年山口 豊藤沢 武彦堀内 文男岡本 達也大岩 孝司
著者情報
ジャーナル フリー

1987 年 26 巻 3 号 p. 471-475

詳細
抄録

胸腺腫は浸潤, 転移といった臨床像から悪性と診断されたものでも, その組織像, 細胞像に悪性所見の乏しい症例が多く, 形態学的な検索のみで悪性度を判定することが困難な腫瘍といわれている. 今回, 術前の経皮針生検細胞診で悪性と確診することのできた胸腺腫を経験したので報告する.
症例は41歳男性胸部X線, CT像で前縦隔腫瘤の気管, 上大静脈浸潤が疑われた, 経皮針生検細胞診では高度の壊死を背景に大小不同の著しい細胞が散在性に出現しており, これらはN/C比が大で不整形の核が多く, クロマチンは粗顆粒状に凝集していた. 組織学的にも異型性多形性に富んだ腫瘍細胞が充実性に増殖し, 胞巣中心部には壊死を認め, 周囲組織との境界では浸潤像が認められた.
胸腺腫では悪性所見の明らかな細胞像, 組織像を示す症例が少数例ではあるが存在することを念頭に診断すべきである.

著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top