日本臨床細胞学会雑誌
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子宮頸部腺異形成の細胞像
伊藤 圭子及川 洋恵金野 多江子岩渕 一夫金田 尚武佐藤 滋那須 一郎東岩井 久野田 起一郎
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1987 年 26 巻 6 号 p. 1038-1045

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抄録

宮城県対がん協会細胞診センターにおける頸癌検診の成績を整理し, 次のような結論を得た.
1. 昭和41年以降発見された頸部浸潤癌における腺癌の占める割合の推移を5年ごとに比較した結果, 近年その増加の傾向を認めた.
2. 腺癌の基準を満たさない腺細胞の異型をIII腺として亜分類すると, その割合は検診総数の0.06%であった.
3. III腺とされたもののなかから約20%に腺異形成を含む腺系の異常を検出した.
4. 腺異形成症例の細胞像は, 柵状配列出現, 核の過染性, 配列の乱れが特徴的であって, 核の増大, クロマチンの不均等分布は軽度であった.
5. 腺異形成症例93例をfollow upした結果上皮内腺癌へ2例, 腺癌へ1例, 腺扁平上皮癌へ1例の計4例の進展を確認した.

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