日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
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横紋筋細胞および活動性線維芽細胞の偽肉腫様変化
皮下穿刺吸引細胞診上の問題点
山田 喬原 互助佐藤 豊彦垣花 昌彦浦崎 政浩岡本 一也川根 一哲城崎 俊典
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1987 年 26 巻 6 号 p. 991-999

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抄録

皮下腫瘤の穿刺吸引細胞診において採取される細胞のうちで, 間葉組織由来の良性異型細胞の形態について以下の8症例を示しつつ論じた。すなわち, 1) 合胞体状多核横紋筋細胞の出現した3例 (うち1例は増殖性筋炎が推定された), 2) 結節性筋膜炎の1例, 3) 腫瘍の増殖に伴う横紋筋とその周囲組織細胞の反応性変化が起こった2例, 4) 肉腫の浸潤増殖に伴い横紋筋細胞の反応性異型化の起こった1例, 5) 陳旧性肉芽腫1例である.
これらの症例の病態はそれぞれ異なるが, 穿刺吸引により採取された間葉組織由来の異型細胞は多少とも, 肉腫細胞とまぎらわしく, 診断上, 誤診の原因となることが考えられた. その良性異型細胞の形態を整理し, 細胞形態の発生過程を推定した.

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