日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
肺癌検診における喀痰標本の作製
松田 実
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 27 巻 1 号 p. 1-6

詳細
抄録

喀痰細胞診を肺癌集検の場で行うには, 1) 細胞の保存が良好であること, 2) 標本の作製が簡単であること, 3) 標本が美麗で異型細胞のスクリーニングが容易であること, 4) 陽性率が高いこと, 5) 経済的であること, 6) 安全性が高いこと, などが必要な条件となる. 現在までに, 喀疾保存の目的で, ホルマリン固定法, 名市大法, サコマノ法などが行われ, 細胞診陽性率を高める目的で, 蛋白分解酵素あるいは粘液融解剤を用いる集細胞法が行われてきた, 最近では, サコマノ氏固定液に粘液融解剤を加える方法が行われ, 操作が簡単で, 背景がきれいであるために, 異型細胞のスクリーニングが容易であるといわれている. 標本作製法の歴史を知ることは興味のある事実であり, また啓発される点も多い.

著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
次の記事
feedback
Top